ハタフルアカデミーの「人」を知り倒すメディア
Vol3.ハタフルアカデミー創業にこめた想い|代表・臼井翼さん
ハタフルアカデミーの「人」を知り倒すメディア『HAマガジン』。
第3回目となる今回は、ハタフルアカデミーを運営する「株式会社ハタフル」の代表・臼井翼さんにインタビューさせていただきました。
会津若松市で生まれ育ち上京した臼井さんは、東日本大震災を経て福島県にUターン。
それまで東京でWeb関連の仕事をしていましたが、周囲には「福島でWebの仕事なんか出来ないよ」と散々言われたそう。
そんな臼井さんがなぜハタフルアカデミーを創設し、今後どんなビジョンを描いているのか。
HAマガジンだけに教えてくれた、書下ろしのエピソードと共にご紹介していきます。
目次
知られざる開校秘話「負の気持ちをパワーに」
ーハタフルアカデミーを開設するきっかけとなった事は何ですか?
一つ目は、自社での求人経験です。
求人を出したところ、うれしいことに応募がたくさんありました。でも、Webデザイナー未経験者が多くて採用できないという状況で。
今後も業界の需要が伸び続けるなら、僕たちがWebデザイナーを育てたら良いんじゃないかっていう考えに行きつきました。
もう一つは、コロナウイルスの影響で働き方が多様化したことです。
オンライン会議や在宅勤務など、働き方に多様性が生まれたのにうまく対応できない企業も多くて。福島県ではそもそも、オンラインに対応できる仕事自体が少ない。
変えたくても変えられない地方の状況に違和感を感じました。
ーアカデミー開校は大きな決断だったと思いますが、何かを決断するのにコツがあれば教えてください
僕はもともと、経営者になろうと思っていた訳ではないんです。ただ、自分が納得できる仕事をしたかった。
実は開校前、ちょっと落ち込むことが重なったタイミングでもあって。
その気持ちを勢いに変えて「何くそ!」で挑戦したのがハタフルアカデミーでした。
なので、それまでと同様に「トライ&エラー」で思いっきりやってみよう!と。そういう気持ちで臨みました。
申込み殺到の1年目、教材を一新した2年目。そしてその先…
ー開校してから1年半が過ぎました。手ごたえはいかがですか?
開校前は多少のニーズはあると思っていましたが、実際は想定以上の反響でした。
2年目に入って少し落ち着いてくると、それまで興味関心を抱いてくれた人は情報に敏感な人だったんだということがわかってきました。
世の中、それ以外の人の方が多い。今後はもっと奥手な人たちにも届けていきたい。
それで2年目はこれまでの郡山校に加え、福島、いわきと拠点を3カ所に拡充しました。
ー2年目は動画教材を一新したと伺いました。なぜですか?
初年度は大手専門スクールの動画教材を使用していましたが、動画教材と現場で少しズレがあるなと感じていて。
当校は講師による対面授業があるのでその違和感は解消されますが、いずれは教材も自社で作りたいと思っていました。
今回は思っていたよりも早いタイミングになりましたが、現役クリエイター講師が最新のノウハウを詰め込んだカリキュラムは会社にとって大きな資産。
ゼロから作りあげた講師のみんなには感謝しかないです。価値のあるものを作ったことを誇りに思って欲しいと思います。
僕の今の課題は、みんなが作ってくれた教材をどう次に活かしていくかです。
「福島なんかで出来ない」を脱却!ド田舎でIT人材を育成
僕は東京から福島に戻ってくるときに「福島なんかで出来ないよ」と散々言われてきました。
でもここ1、2年で100人規模の卒業生を輩出。
中には福島県が運営するのHPを制作した人も出てきていて、個人として知名度を上げて活躍している人たちもいます。
卒業生の活躍は、僕にとっても自信になります。
活躍している知らせを聞くと、「ド田舎だけどWebデザイナー養成スクールをやってよかった」と心底思います。
ー福島にUターンして8年弱。この間、福島県のWeb業界に変化を感じますか?
少しずつ同業者が増えてきたかな?と思います。また、「Webが…デジタル化…」などの声が聞こえて来るようにもなってきて、一定の影響を与える何かはできているのかなと感じています。
ただ、なかなか変われない状況もあるようで憤りを感じることも。
だから今は、変わらないなら自分たちで変えようと思って動いています。
僕たちはWebデザインや業界を教えたいのではなく、一人ひとりの人生の選択肢、働き方を提案したいと思っています。
誰かと一緒に学ぶ機会は最後かもしれない
ハタフルアカデミーに来れば講師がいて、同期がいて、誰かと一緒のタイミングで同じことを学ぶことができる。
学校だけどそれだけじゃない、大人のためのコミュニティのような感じ。
そんな側面を持っているのがハタフルアカデミーの強みでもあり、面白さでもあると思います。
クリエイティブな仕事は「孤独が一番の敵」ですから。その部分の心配は少ないはずです。
ハタフルアカデミーは卒業生、在校生に呼びかかると、いつも20人くらいは集まってくれるコミュニティになりました。それってすごいことだと思っていて。
卒業生同士で仕事をしたりするなど、想像以上に良い方向に進んでいます。
もちろん参加は自由ですが、大人になってからそんな経験できることってめったにないこと。
迷っている方がいるならこれが最後かもという気持ちで、勇気を出して飛び込んできて欲しいです。